読了した書籍 (14) 〜「男のパスタ道」

すっかり久々の投稿になりますが「これは、書いておこう !」と思う本に出会いました。

仕事柄、昼食は自分でつくることがほとんどなのですが、ペペロンチーノはその手間からも忙しい中で重宝する料理の一つです。
妻に褒められる程度の出来にはなりましたが、この本を手に取らずにはいられませんでした。
帯に「ペペロンチーノの解説だけで 1 冊かかりました」とある様に、おいしいペペロンチーノにたどりつくためだけの 238 ページ、一時期話題になった「ゆで汁に塩を入れないでパスタを茹でるとどうなるか」という記事を書いた土屋 敦 さんの著書になります

レシピ本といえばレシピ本なのですが、美しい料理写真は一切無く、パスタ選びから塩、一つ一つの作業をアホらしい (褒め言葉です) までの姿勢で探求をする、実に深いペペロンチーノのための本です。
例えば以下の一文にも表れていると思います。

私は「アルデンテとは、パスタの中心部にある含水率 40 パーセント以下のデンプンに由来する硬い食感」と定義したい。

最初からデュラム・セモリナからグルテンとデンプンを取り出したりと全体を通して興味深いのですが、目からうろこが落ちる様な、何気なくそうしていた部分にも切り込んでいます。
あまり核心に迫ってしまうと読む楽しみが減りますので、中盤まででいくつか挙げます。

  • 糊化は塩に比例しない
  • 塩は沸騰してから入れる ?
  • 岩塩を使う意味はない
  • なぜゆで時間に神経質でないのか

特に「なぜゆで時間に神経質でないのか」の前後ではバリラのパスタを例に挙げて、テフロンダイスと高温乾燥、ブロンズダイスと低温乾燥という製法から現代的パスタの優秀性にまで言及をしています。
ただ、科学的でありながらご自宅の台所での調理、ご家族での検証方法を用いているので、本格的な科学かというとそうではありませんが、そこは料理、食べる人間の感覚が必要なものです。
ここが小難しくさせず、試してみようという気にさせます。
まずは最後にいくつかあるレシピの中から「休日ペペロン」を試して、そこから僕も探求してみようと思います。
料理をつくる際は感覚よりもその意味することに対する理解だと思っていましたので、一つ、良書に巡り会えたことになります。
本書の中で少しだけ触れられている「マギー キッチンサイエンス」も読んでみなくてはなりません。
また、著者の新たな実験、発見による新しいレシピは「キッチン仮説」で随時更新されていくとのことです。
まだつくっていませんが、既に頭の中はペペロンチーノでいっぱいです。

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